1.財源確保に向けた枚方市の施策展開について
松本佑介:質問
令和5年度決算では、経常収支比率が100%に近づき、枚方市では余裕を持った財政運営ができなくなったこと、そして5年ぶりに単年度収支がマイナスになったことなどが明らかになりました。枚方市としては、税収を増やすか、支出を減らすか、この2つをやっていかないといけないわけですけれども、さすがに支出を減らす、施策を減らす、施策の質を落とすというのは、ちょっと選んでいただきたくないので、税収を増やすということを頑張っていただきたいと思っています。
今回、令和5年度決算において、税収は、市税のところについては確かに微増しました。でも、これは一定のボラティリティーの範囲内ですので、長期的に見ると、基本的には人口減少なので減っていくと考えられます。それで、人口減少していても変動を受けにくい個人市民税ではなくて、法人市民税の増加ですとか、固定資産税の増加、これを狙っていく必要があると思います。
まず今回は、まず法人市民税をどういうように伸ばしていくのか、枚方市がどのような施策を行っているのかをお伺いします。
総合政策部長:答弁
法人市民税の確保に当たりましては、企業の経済活動を支える環境整備によりまして、産業集積を図っていくことが必要であるものと考えております。そうしたことから、長尾駅周辺地区や茄子作地区などで進められております土地区画整理事業の円滑な推進、地域産業基盤強化奨励金制度による支援、工場操業環境の整備に向けた緑地面積率等の見直しなどを行っておるところでございます。
松本佑介:質問
枚方市の財源確保のための施策は、産業集積を図るという観点での御回答だと思います。
これは、私は決算特別委員会でもお伝えさせていただきましたけれども、産業集積できるエリアというのは、やっぱりどんどん郊外に離れていっていると思うのですね。昔の頃は、守口とか門真に産業集積がありました。それが、都市圏が拡大すると、次は枚方に立地するようになりましたと。さらに都市圏が拡大して、次は、もう滋賀まで行くようになりましたと。今、もうこの時代の中で、もう一度、枚方カムバックというのは、本当に、もう1回言いますけど、津田サイエンスヒルズは本当にすごいと思います。本当にすごいと思いますけれども、あれをもう1回やるのは、なかなか大変だなとやっぱり思いますので、次の別の方法も考えないといけない。
特に、さっき固定資産税の増加という話もさせていただきましたけれども、住環境と工場、これはやっぱり離して、地価を上げていくというのがやっぱり大事ですよね。これから住環境で選ばれていくためにも、工場からちょっと離れているというのも大事だと思いますので、第2次産業を今後、ベッドタウンの中で集積していくというのが、まちの戦略として正しいのかどうかというのは、やっぱりもうちょっと考えていただきたいと思います。
ではどうするのかというと、やはり第3次産業かなと思います。枚方市は、もうベッドタウンの中にすっぽり収まっています。大都市圏の中で伸びていく産業というのは、やっぱり第3次産業が多いのですよね。今ちょうど、新しく第3次産業を増やしていくために何をしていくのかというところですけれども、地域未来投資促進法に、また対応するとやっているではないですか。せっかく地域の未来を考えていくというのであれば、やっぱり枚方の強みであるような産業をやっていただきたいと思っていまして、実際、売上高ベースでは、枚方の産業って製造業が多いのですけれども、付加価値額でいくと、医療とか福祉のところが多いのですよね。ここって、まさにこれから超高齢社会に突入している本市においては、もう物すごく合致している産業だと思うので、こういうところをやっぱり伸ばしていっていただきたいなと思います。経済の循環をやっていっていただきたいと思ってます。
第3次産業を集積していくのであれば、どこかと考えますと、やっぱり枚方市駅の周辺は、僕はビジネスをやっていくエリアとしてはすごくいいと思っています。そのためには、入居しやすいようなシェアオフィスですとか、あとは新しい人が入っていきやすいような仕掛けというのをやっていっていただきたいなと思います。
この経済循環について、今回はもっともっと強くやっていくようにお願いしたいと思っているのですけれども、というのは、さっきの産業集積というので、外部から新しい企業が入ります、これも結構なことなのですけれども、私はやっぱり地場の企業を育てていくということをやっていっていただきたいと思います。地場の企業は、市外に本社があるような企業と違って、例えば、北大阪商工会議所に入っているような企業ですと、もし仕事を受注すると、その仕事をやるための仕入れとか、そういうのは全部、大体地場の企業同士でやるのですよね。そうなると、1社が仕事を受注できると、そこからいい経済循環が市内の中で生まれていくので、もうここは、本当に地場の企業を育てて、地域の中での経済循環を回すというのをやっていっていただきたいと思います。
経済循環がうまく回ると、次に起こるのが、所得が上がるのですよね。企業の業績が伸びると、そこで働いている人たちの給料が増える、それが支出に回る。やっぱり枚方は、この支出をなるべく市内で受け止めることができるようなまちにしていただきたい。そのためには、今、樟葉があると思いますけれども、枚方市駅でも、あまりにも大規模なのは難しいのかもしれないですけれども、でも新しく、今、商売を始めて、お店を始めようという人も増えていると思いますので、そういった人がチャレンジしやすくなるような環境を整えていっていただきたいと思います。
そこで、市長に質問です。
来年3月には予算特別委員会があります。令和5年度に法人市民税が減収になりました。ただ、やっぱりこの法人市民税の税収増加は、引き続き追いかけていっていただきたいと思っています。私は、令和5年度決算のときに質問させていただいたときには市民税課に答えていただいたのですけれども、施策となってくると、どこの部署に担っていただくのがいいのか、これは、市長に御見解をお伺いします。
市長:答弁
法人市民税の増収に向けましては、産業集積を図るための環境整備が必要となります。そういった面におきましては、現状としては商工関連部署であります観光にぎわい部ということになるのですけれども、戦略的にこの施策を展開していく必要性を考えると、そこは総合政策部、あるいは、ハード、ソフトも連携してやっていかないといけないので、そこのところは庁内連携を図りながら取り組んでいく必要があると考えています。
松本佑介:提案・要望
ありがとうございます。現状での動きを御回答いただきましたけれども、今後、戦略的に施策を展開していくためには、総合政策部ですとか、ハードを整備できるような部署と連携してやっていく必要があるというような御回答もいただきました。
今後は、市長の御認識に基づいて、庁内連携して税収の確保に取り組んでいただきたいと思います。
2.天野川を生かした中心市街地のにぎわいを波及するまちづくりについて
松本佑介:質問
枚方市駅周辺再整備基本計画には、「居心地が良く滞在できる空間や歩いて楽しいウォーカブルなまちづくりの形成」、「枚方市駅周辺から淀川や天野川、京街道などへの回遊ネットワークの拡大」等が示されています。これは、大変すばらしいアイデアだと思っています。
これを実現すると、枚方市の中心市街地のにぎわいが広域に波及されることになると思うので、ぜひやっていただきたいと思っていますので、改めて天野川をどのように活用していくのかを教えてください。
市駅周辺まち活性化部長:答弁
枚方市駅周辺地区の再整備により集積を進める新たな都市機能と、淀川や枚方宿、川原町、宮之阪商店街などの地域資源を有機的につなぐことで相乗効果を高め、再整備の事業効果を周辺地域に波及させることができるものと考えております。
天野川につきましては、議員お示しのとおり、3)・4)・5)街区のまちづくりと連携させることで創出したにぎわいなどの効果を川原町や宮之阪商店街などの周辺地区へ広げたいと考えておりまして、再整備基本計画38ページに、5)街区付近までの区間について、市民が気軽に水に親しみ、にぎわいを創出する空間として活用することをイメージ図としてお示ししているところでございます。
松本佑介:質問
こちらは、先ほど経済循環のお話しをさせていただきましたけれども、枚方市駅周辺エリアの弱みとして、もう市駅の近隣まで住居が迫ってきているので、商売ができるエリアがやっぱり狭いのですね。これを何とかして拡大していきたいというのが、やっぱり課題だと思うのですけれども、その観点でいくと、先ほどのアイデア、にぎわいのエリアを拡大していくというのは、物すごくいい発想だと思っています。
そこで、このアイデアを実現していくために今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
市駅周辺まち活性化部長:答弁
天野川の活用につきましては、まず第1段階として、3)街区のまちびらきに合わせて河川管理者である大阪府に除草、伐木を行っていただくとともに、地域団体から桜の寄贈をいただくなど、公民連携による景観整備を進めており、引き続き禁野橋から淀川河川公園までの連続した景観づくりに取り組んでまいります。
大阪府には、今後も維持管理に関する予算確保と、市駅周辺再整備に伴うウォーカブルなまちの実現に向けた天野川の整備について要望しているところでございまして、大阪府からは、市から具体的な案が示されれば、技術的支援など、適切に対応するとの回答を得ているところでございます。
次の段階に向けましては、今後も大阪府と継続して協議、連携していくとともに、河川敷における工作物の設置や、にぎわい活動につきまして規制緩和の適用を受けるため、例えば河川敷地占用許可準則第22の都市・地域再生等利用区域の指定なども視野に、かわまちづくり支援制度の活用を検討してまいります。
また、天の川クリーン&ウォークによる環境美化活動や、地域団体の主催による桜まつりが開催されており、こうした活発な地域活動も取り入れるとともに、意見交換などを通じて機運の醸成につなげ、再整備の波及効果を広げる観点から、まちと川をつなぐ空間整備に取り組んでまいります。
松本佑介:提案・要望
ありがとうございます。ぜひ全部やってください。
このにぎわいエリアを波及させていくという観点においては、今おっしゃっていただいたことは当然やっていただきたいのですけれども、ちょっと追加で御認識していただきたい観点が2点あります。
一つは、川沿いにルートを整備しましたと、景観のよいルートができましたと、そのルートができたこと自体では、必ずしもそこを人が歩くようになるかというのは、やっぱり別ですね。
以前、天野川沿いの整備のところで鴨川の絵とかも見せていただきましたけれども、鴨川は、お店が四条と三条のところにあるから、あそこは人がいるのですけど、鴨川沿いを長距離をずっと歩いている人っていないのですよ。基本的に長い距離を歩くとなると、もう大分先のところに目的地があるか、もしくは道路沿いにお店があって食べ歩きみたいなことをしながら行けるとか、目的となる施設があるというのにやっぱり限られるわけです。
確かに、天野川の桜もあるので花見の時期とかはいいとは思いますけれども、花は短いので、1年を通じてそのルートを使って消費行動を促すようなところもやっていっていただきたいと思います。
例えば、これはもう勝手なアイデアですけれども、難しいのは分かっているのですけれども、キッチンカーを入れるようにスロープを造るとか、ほかにもテントを作って簡易的な店舗を作ることができるとすると、例えば、枚方モールで食事をしたり買物をした人とかが、そのまま天野川沿いも、ちょっと行ってみようかなということになるかもしれません。そうすると枚方モールと天野川沿いのところの接続部の入り口は、人が入ってきやすいような、すごく開けた雰囲気のいい入り口にしていただく必要があると思います。
さらに、夜とかでしたら、桜のシーズンとかだと夜桜とかをして、幸いにも天津橋は大学生がたくさん通りますよね。4月、5月はバスに乗って通るのですけれども、5月を越えると歩く人が増えるのですよね。例えば、そういう彼ら、彼女たちが夜桜を見て、ふらっと入っていってしまうと。ふらっと入っていくだけではなくて、川原町に抜けていっていただきたいですよね。そのためには、天野川から川原町へのアクセスを物すごくきれいなアクセスにしてください。今は結構暗いトンネルみたいなところを通らないといけないので、デートにふさわしいような通路を造っていただきたいと思います。
あとは、天野川の左岸と右岸は、今、右岸のほうが結構歩きやすいような道になっていると思います。けれども、川原町は左岸なので、飛び石があるのでちょっと行ってみようかなみたいな感じになるような、カササギの飛び石にしてもいいじゃないですか、せっかく天野川なのでね。そういうストーリーをつけて天野川のブランドイメージを高めるようなかわまちづくりをお願いしたいと思います。
あと、もう1点、ちょっと言わせていただきます。2点目なのですけど、天野川を生かして波及させる中心市街地のそもそもの魅力、これも高めていただきたいと思っています。
御存じの方も多いと思いますけれども、枚方市駅周辺というのは、大変魅力的な強みを持ったエリアです。まず一つは、乗降客数が圧倒的に多いですよね。京都・大阪間の中で、こんなに大きな規模を持った駅はないです。これは、枚方市駅がかなり遠いところからも人を引きつける、まずインフラ的なものが整っていることを意味すると思います。
もう一つが、枚方市駅周辺エリアは、昼間人口が多いんですね。北河内のエリアの中でも枚方市駅周辺ほど昼間人口が高いエリアは、そうそうないです。これは、枚方市駅周辺に、一定の商業もしくは雇用の集積があるということを意味する。これは、税収を増やすという観点では、さっき経済循環が重要というお話をさせていただきましたけれども、商業や雇用の集積があるというのは、経済循環を太くする上で極めて有力な強みになるので、生かしてほしいと思います。
実際、枚方市駅の周辺エリアは、都市計画マスタープランでは広域中心拠点に位置づけられていますし、あと、土地利用においても広域都市機能集積ゾーンに位置づけられています。この広域都市機能集積ゾーンはどんなゾーンなのかと申し上げますと、「交通利便を生かし、さらなる魅力と賑わいのある都市空間の形成を図るとともに、都市活力の向上などに向けて土地の高度利用を促進し、広域都市圏の中心機能を担うエリアにふさわしい多様な都市機能の集積」を図るエリアということですね。もう全くおっしゃるとおりだと思います、本当に納得感のある方針です。
ここでお気づきいただきたいのは、広域中心拠点のにぎわいというのは、半径500メートルの圏内の人口密度で決まるものではないです。もちろん相関関係はありますけれども、それだけではない。枚方市駅は、京阪間の中でも希有な、幅広い範囲から人を呼び込めるエリアです。この力は絶対に生かさないといけない。確かに香里園エリアには人口密度500メートル圏内では劣るけれども、昼間人口では余裕で逆転するんですね。人口密度という観点でいうと、樟葉も別に枚方市駅ととんとんで、そんなに変わらないでしょう、香里園のほうが上でしょう。でも、にぎわいはどうですか、樟葉のにぎわいは、十分満足できるレベルだと思うのです。
つまり、どういうことかというと、人口密度は確かに大事ですけれども、どれだけ遠くから人を呼び込むことができるのかというのも大事で、これは、市長がずっと交流人口を増やすとおっしゃっているのがあるじゃないですか。枚方市駅周辺は、これができるエリアなんですよ。だから、枚方市駅の可能性をコンパクトにしてはいけません。枚方市駅は、遠くからでも人を呼び込めるエリアなので、必ずそういうような利用の仕方をしないといけない。
確かに市場調査でいろいろ難しいと出た、それは分かりますけれども、市場調査で難しいからやらないとか、市場調査でいいと出たからやるというのは、もうみんなやっているのですよね。できるからやるだったら、もうやっている。それを、都市の魅力を高めて、ちょっと難しいけれども挑戦してみよう、できるかもしれないというアイデアのきっかけを与えてあげるのが、まちづくりの行政の仕事だと僕は思います。
枚方市駅周辺のエリアを活用して、確かに枚方市が人口が減っていって、なかなか厳しい未来かもしれないですけれども、今度は、順当な未来をそのまま進むような施策を打つのではなくて、ここから反転攻勢できるような可能性にかけてみる、そんな絵をやっぱり書いてほしいと僕は思います。
あと、先ほどの広域都市機能集積ゾーンがありましたよね。ここで「土地の高度利用」という単語が出てきました。この「土地の高度利用を促進し」という単語が出てくるのですけど、そこへ係る修飾語は、「都市活力の向上などに向けて」ということになっているのですね。つまり、枚方市駅周辺で土地の高度利用を図るというのは、都市活力の向上に向けてというのがまず金科玉条の大前提にあるわけです。これを必ずやっていただきたい。
さらに、立地適正化計画においても、枚方市駅周辺は、都市機能誘導区域ですよね、居住機能誘導区域ではないですよね。そもそもコンパクトシティを推進するのであれば、居住誘導をするためには、その居住が近づいてくる核になるような都市機能を育てないといけないのです。その都市機能をちゃんと育むべき1丁目1番地に居住エリアを持ってくるというのは、これは、コンパクトシティを推進する上での核を崩壊させることになるので、ここはちゃんと考えていかないといけないと思います。それはもちろん、確かに枚方市周辺の人口密度を高めたいというのも分かります。分かりますけれども、それは1丁目1番地に居住エリアを持ってきてやることではない、少し離してやる、そうじゃないとコンパクトシティは実現しないです。
いろいろ申し上げましたけれども、市駅周辺まち活性化部は、中心市街地のにぎわいを拡大するという本当にすばらしいアイデアを出してくださった、すごい部署だと思います。いろいろなお立場もあって、言えること、言えないことがあるし、大変なのも分かっていますけれども、こんなすごいアイデアを出した皆さんですので、必ずこの局面を乗り切られると思っています。枚方の未来をよろしくお願いします。
3.管理不適正な分譲マンションが将来のまちに及ぼす影響について
松本佑介:質問
これは全国的に、特に関東では、管理不適正な分譲マンションが増加傾向にあり、社会的な問題として非常に注目されています。実際、数年前にも東京都でマンションポータルサイトというのが立ち上がって、新聞でも「二つの老い」という言葉が取り上げられました。枚方市でも、もう既に奥野議員が問題意識を持って、ここのマンションのところをしっかり管理していかないといけないというのは主張しておられたところです。
今回、管理不適正なマンションの存在を確認するというところについて、その詳細をお聞かせください。そしてまた、そのような管理不適正なマンションは、具体的にどのような問題が起きていくのか、これも確認させてください。
都市整備部長:答弁
本市では、令和4年度にマンション管理実態調査を行っており、その時点におきまして、本市域では、280件の分譲マンションが立地しておりました。そのうち管理不適正マンションは、アンケートで回答のあった168件のうち10件あり、その全てのマンションで長期修繕計画が作成されていないことを確認しております。
また、その10件のうち1件につきましては、管理組合の実態がなく、会計区分が不明確などの状況を確認しております。
このような管理不適正マンションに対する問題につきましては、長期的かつ計画的な修繕等が困難となり、構造上の安全性の低下や居住環境の悪化だけでなく、ついては、周辺の住環境にも悪影響を与えることが懸念されるところでございます。このような状況に至ることで、空き室の増加や建物の劣化による資産価値の低下を招き、さらなる悪循環を生み出し、最終的にはマンションの区分所有者だけでは対応が困難となる可能性がございます。
松本佑介:質問
管理不適正な分譲マンションのところについては、先ほどの御答弁から、マンションというのが、適切に管理しなければ大きなリスクがあるということが共有できたと思います。
そこで、このような管理不適正なマンションに対して、市としてどのように取り組む考えであるのか、これは市長にお伺いします。
市長:答弁
管理不適正マンションを行政が事後対応する場合には、多大な時間的、金銭的コストを要するおそれがあることから、このような事態を未然に防止することが将来的にも非常に重要であると考えています。
なお、管理不適正マンションを未然に防止することについては、令和5年に策定した枚方市分譲マンション管理適正化推進計画に基づいて、今後より一層取組を進めていく考えでございます。
松本佑介:提案・要望
ありがとうございます。ぜひお願いします。
この枚方市分譲マンション管理適正化推進計画というのは大変頼もしい計画なのですけど、実行するのはすごい大変ですよね。マンションは枚方に280件あるということですけれども、これを本当に1件1件を見ていくとなると、まず全部回らないといけないですよね。しかも、マンションって誰が管理組合の代表かが分かるところだったらいいのですけれども、分からないところもあって、1棟のマンションから、どこにいるのだろうというのを全部探すのって、どうやってやるのでしょうね。全戸訪問するのですかねとか。さらには、全部ピンポンと訪問したとて、いや私じゃないですとみんなに言われたら、さらにどうするのでしょうねとか。
そこもクリアしないといけないですし、さらには、先ほど修繕計画とかもまだつくられていないところでしたら、そういったところに対しても長期修繕計画をつくっていきましょうとか、修繕するとなるとお金が要りますとなったら、皆さん、これからちょっとお金を出しましょうねという働きかけとかをしないといけない。もうむちゃくちゃ大変で、これは職員が1人でできるものじゃなくて、専門家と連携しながらやらないといけません。専門家と連携しながら、さっきのしらみ潰しを1件1件やるとなると日程調整も大変ですし、相当力のいる作業だと思います。
さらに、さっき「二つの老い」というのを申し上げましたけれども、今、もう本当に高齢者世代がマンションの主たる住人になっているようなところがやっぱりあるわけですよね。これが今から、どんどん年数がたっていくと、もっと激しい問題になりますよね。もしかしたら相続があって、高齢者からお子さんになりましたと、でもお子さんは東京に住んでいます、俺はそんなマンションは要らんわと、マンションはもう取りあえず賃貸に出すとかとなったら、また権利関係も複雑になりますし、もうなかなか大変なので、これは相当力のいる作業なので、どのマンションから当たっていくのかと優先順位をしっかり立ててやっていっていただきたいと思います。
そのためには、私からぜひお願いしたいのは、まず一つは、高齢者の割合の高いところ、それも特に70代とか、もしかしたら80代とかの高齢者が多いマンション、そこの見極めは、要は、もうマンションの築年数で見るのかなと思います。
そして、もう一つは、これはぜひやっていただきたいのですけれども、都市整備上、重要な立地にあるようなマンションは、たとえほかのところよりも築年数が浅くても、まちをつくっていく観点では、早めに着手していただきたいと思います。この観点を持って、まちづくりを進めていただきたいと思います。
4.社会構造の変化に対応できる市役所の組織づくりについて
松本佑介:質問
これは私の経験なのですけれども、民間企業というのは、経営戦略を立てるときには、まず自分たちの専門の部署を立ち上げて、既に持っていて、将来予測をしっかりする、マーケティングをしっかりする、そこから経営戦略を立てるのですね。経営戦略を立てて、それを全社的に共有するのですね。大きな企業になると、会社は部門ごとに分かれるのですけれども、それぞれの部門は、その経営戦略に従って各種の計画を立てていく、この経営戦略が物すごく大事で、それがちゃんとしっかり徹底されるみたいな形になっているわけです。
翻って、この枚方市役所において、こういう経営戦略に類するものをちゃんとつくっているのか、そのためにはまず将来予測をしっかりしないといけないのですけれども、この枚方市役所において庁内全体の共通認識となるような将来予測を立てて、対策する、検討するといったことを行っているのか、お聞きします。
総合政策部長:答弁
将来予測への対応策につきましては、第5次枚方市総合計画に基づく第3期実行計画を策定する過程におきまして、国が示す地域の未来予測を参考にいたしまして、人口推計を基本とする枚方市の未来予測を作成いたしまして、そこから本市の将来に想定される課題ニーズへの対応といったバックキャスティングの視点での検討も行ってきたところでございます。
国が示す地域未来予測におきましては、施設インフラ、教育、子育て、医療、介護、公共交通、防災、消防などの分野における長期的な需要や変化を盛り込むことが求められていますことから、今後、こうした対応を踏まえまして、枚方市の未来予測の更新を進めていく必要があるものと考えております。
松本佑介:提案・要望
ここは、枚方市の未来予測を作成しておられるという御答弁をいただきましたけれども、私はまだ不満です。2040年問題に対する記述があるじゃないですか、本市では人口の3分の1は高齢者になりますと、そのためには人口減少を緩やかにするのが重要ですみたいなことを書いていましたけれども、人口減少を緩やかにして何年になるのですか。2041年とか2040年とか、そんなレベルですよね。そうであれば、どういう施策を打たないといけないとかも、やっぱり具体的に考えてほしいですね。
例えば、高齢者が3分の1を占めるようになったら、要は、この市役所から一歩外に出ると、まちを歩いている人の3分の1は高齢者なのですよ。車に乗っている人も3分の1かというと、多分、車に乗っている人は、もっと割合が上がるのではないですか。下手したら半分とか行くかもしれない。免許返納って本当に進むのでしょうか。80代の人たちは、車を持っているのが当たり前じゃなかったですけれども、70代の人は、もう結構みんながマイカーを持っていて、車が生活に密着しているのですよね。本当に免許返納が進むのかとか、そういうことを考えていると、もう抜本的にまちづくりの在り方を変えないといけないかもしれないですよね。多分、全ての施設は、もうバリアフリーも当たり前、こんな世の中になっているはずなのですよ。それを2040年になってから、さあ対応しましょうとなると、そもそも間に合わないではないですか。と考えると、今のうちから手を打っていくことをどんどんやっていく必要があると思います。
この将来予測をするような人員がいると一番理想なのですけど、市長は、多分そういうのはお好きだと思うのですけど、例えば、企画課の中にそういった人員を確保するとか、新しい部署をつくるとなると、今の全庁的な人手不足の中で、彼らは調べ物ばっかりして一体何をやっているのだということになると思うので、多分、現実的じゃないと思います。だから、例えば、これは、民間企業で監査をするときに、どこの分野から監査をしていくのかを考えるときに使う手法ですけれども、各部署の長、だから皆さんですね、皆さんがそれぞれの職務の中で将来予測を立てる。それを市長の名の下に全体の会議を開いて、みんなが将来予測を持ち寄り、お互いで認識を共有する。他人の予測を聞いたら、それに対していろいろ質問する。もしかしたら副市長から、君はこんな予測を立ててきたけど、こういう観点も足りないんじゃないかとか言ってどんどん指摘する。その枚方全体の将来予測をみんなで共有するんですよ。それをすると、次に分野ごとの計画を立てるときに、その予測から外れているものがあったら、今度は絶対入れる、この認識は、もう全庁的に共有できているのですから、それぞれの計画を推進する上で横との連携を図るのもやりやすくなると思います。ぜひ、今度やってみていただきたいなと思います。
5.社会貢献意識の高まりに対する枚方市の対応について
松本佑介:質問
これは、これまで何度かお話しさせていただいたこともあると思いますけれども、今、ボランティア意識がすごい高まっています。学生のボランティアサークルが増えている、市民活動も増えている、さらには、最近、企業の社会貢献活動も物すごく活発になってきていますよね。これから、やっぱり人口が減っていって、できる施策は限られてくるとなると、もう行政単体で全てのまちの課題に対応するというのはやっぱり難しいので、こういった市民の社会貢献意識、これも一緒に手を組んで課題解決に向かっていく必要があると考えています。
そこで、地域課題の解決やまちの魅力向上に向けた公民連携の手法や仕組みについて、現在どのようなものがあるのかを教えてください。
総合政策部長:答弁
民間事業者等との連携手法といたしましては、民間企業の社会貢献活動における連携協定の締結、イベント等の共催など、様々ございますが、連携を進めるための仕組みといたしましては、市が抱える課題解決等に向けて民間企業等と対話を行います公民連携プラットフォームや、万博を契機とした地域経済活性化等を目指し、様々な主体間の対話の場でありますひらかた万博共創プラットフォームがございます。
松本佑介:質問
現在の仕組みとしては、公民連携プラットフォームやひらかた万博共創プラットフォームがあるということでした。これの中身や内容や特徴について、また、運営している中での効果について教えてください。
総合政策部長:答弁
公民連携プラットフォームにおきましては、市が考えるまちの課題に対しまして民間事業者等から解決策を御提案いただく場合と、民間事業者等から本市との連携について自発的に提案いただく2通りの手法がございます。
特徴といたしましては、市内外問わず、企業から技術提案をいただくことが多い状況でございます。
効果につきましては、公民連携の窓口を一元化することで、企業が保有する技術等の情報が集約されまして、組織横断的な視点で連携を検討できる点があるものと捉えております。
また、ひらかた万博共創プラットフォームにつきましては、地域の活性化に関しまして多様な主体が対話をし、共に考え、共に創るという共創の性質が強く、地元事業者や団体など、多様な主体による参画が特徴でございます。
本市が実施いたしますイベントの場では、参加会員同士が自ら関係性を構築されまして、イベント以外の場合において連携をするなど、新たな共創が生まれているところも目にしておる状況でございます。こうした効果は、すぐには見えないものではございますが、地域の活性化に向けた共創の風土づくりとして、大きな意義を感じておるところでございます。
松本佑介:質問
ありがとうございます。
公民連携という言葉がつくと、民間企業が社会貢献という切り口で探していくときには、ちょっと見つかりにくいキーワードかもしれないなとは思います。そこも、今後改善していくことも考えていただければと思います。
一方で、ひらかた万博共創プラットフォームは、部長の御答弁をお聞きして、新たな共創が生まれる効果があるのではないかなと感じました。ここについても、現状を踏まえて、今後の展望などもお聞かせください。
総合政策部長:答弁
ひらかた万博共創プラットフォームにおける対話は、企業、大学、市民団体など、多様な主体が関わる機会を持つことにより、新たな気づきや共創が生まれているものと考えております。
今後におきましても、地域全体でまちづくりに取り組んでいけるよう、共創の取組を進めてまいりたいと思っております。
松本佑介:提案・要望
ありがとうございます。
いいですよね、枚方って地元愛が強い方が多いというのは、すごく強みですよね。このひらかた万博は、その地元愛が強い方をうまく発掘して、イノベーションを起こすというところに関しては、僕はかなり価値を発揮したのではないかなと思います。ぜひ、これもひらかた万博の評価指標に加えて、職員によく頑張ったと褒めてあげていただきたいなと思います。
インバウンド観光とかもあるのも分かりますけれども、でも、やっぱり市民の枚方に対する愛着ですとかシビックプライドを醸成したというのは、これはやっぱりひらかた万博の価値だと思いますので、ここを今後も、もっともっと高めていっていただくようにお願いいたしまして、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。

※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。